経理や税金で分からないことって、たくさんありますよね。
私もこのブログで分かりやすく説明していても、「これは一般の人には難しいよなぁ…」と思うことってたくさんあります。

国税庁も、もっと分かりやすい説明にすればいいのに
ただ、当ブログは、あくまで会計ソフトや確定申告・青色申告の一般的な内容について、難解な専門用語をわかりやすく噛み砕いて説明するブログです。
「うちの場合はどうなるの!?」というケースバイケースの事情には、細かく対応していません。
そういった相談は、プロの税理士さんのお仕事になります。
そうはいっても、税理士さんって敷居が高そう…
相談したら何円かかるの!? 安い相談先ってないの?
そんなに利益が出ていないのに、専門家にお金を払って税務相談をするのって抵抗がありますよね。

そんな個人事業主向けに、格安の相談先を紹介します!
それぞれのメリット・デメリットもあるので、比較検討してみましょう。
税理士事務所の費用・顧問料の相場は?

個人事業主の確定申告に限らず、個人の相続税から法人の税務申告まで、税に関するスペシャリストといえば税理士です。
税理士事務所は、1人の税理士だけの個人事務所から、複数の税理士とアシスタントを抱える大規模税理士法人まで、規模や得意分野に幅があります。

個人事業主でも、基本的にはどこの税理士事務所に行っても大丈夫です
しかし、個人的な意見ですが、個人事業主は比較的小規模な税理士事務所の方が親身になってくれると思いますよ。
大規模な税理士法人では顧客も株式会社や医療法人など法人が多く、個人事業主に親身になる余裕がないかもしれません。
税理士の費用・顧問料の相場は、売上の総額や会計ソフトへの入力代行の有無で差があります。
税理士に支払う主な費用は以下に分類されます。
- 顧問料…毎月定額で、経理に関する質問をいつでもサポート
- 税務申告…確定申告書と青色申告決算書を作成してもらう費用
- 記帳代行…毎月定額で、会計ソフトへの入力を肩代わりしてもらう費用
首都圏と地方でも差があるので、金額幅がひろくなってしまうのですが、一般的な相場は以下の通りです。

この表で計算すると、年商1,000万円未満の個人事業主で、
- 自力で会計ソフト入力はするけど、分からない所は教えて欲しい
- 確定申告書と青色申告決算書は難しいから税理士に作って欲しい
という場合は、
顧問料13,000円×12ヶ月+申告代行76,000円=23万2,000円(年合計)
になります。
ちなみに毎月の会計ソフト入力もまるっとお願いすると、年間で30万4,000円になります。

全部経費にできるとはいえ、かなりの金額ですね
こんな大金は出せない!という個人事業主さんには、もっと格安で経理や税務のサポートが受けられる団体があります。
個人事業主の税務相談|商工会・商工会議所

商工会と商工会議所は、どちらも法律に定められた公的団体です。
地域の小規模事業者(個人事業主)・中小企業の経営相談窓口です。
商工会・商工会議所では、個人事業主や中小企業の経営相談や融資のあっせん、経理の記帳指導、人材採用サポートや労働保険事務組合など、事業に関わる様々な相談や事務手続きのサポートを行っています。
相談は基本的に無料ですが、原則として商工会・商工会議所の「会員」になることが条件です。
会費は地域によって異なりますが、個人事業主であれば月1,000円~3,000円(年会費1万円~)のところが多いです。
※非会員でも相談可能ですが「できれば会員に加入して欲しい」という声かけは必ずあります。
商工会・商工会議所では、記帳継続指導・記帳機械化事業という、小規模事業者(個人事業主)対象の経理事務代行サービスがあります。
確定申告支援という名目で、青色申告決算書と確定申告書の作成サポートもしてくれます。
商工会・商工会議所によって差がありますが、年会費+記帳代行&確定申告手数料でも、税理士事務所に依頼するよりも安い金額です。

駆け出しの個人事業主には便利なサービスですよ
商工会・商工会議所に向いている人
- 経理や税務の知識は皆無!親切に教えて欲しい!
- 飲食業・〇〇教室・理美容業など地域に根差した業態
- 補助金・助成金・マル経融資を利用する予定がある
個人事業主の税務相談|青色申告会

青色申告会は、個人事業主を中心として組織される納税者団体です。
会員は個人事業主ですが、青色申告会自体の事務を行う専任の役員・職員がいます。
商工会議所が青色申告会の事務を兼務している場合も多いです。
田舎の支部では、税務署を定年退職した人が青色申告会の職員になっている場合もあります。
個人事業主が正しく青色申告で納税できるように、会員(個人事業主)対象の納税勉強会を開いたり、政府に対して個人事業主に関する税制の改善要求を出したりしています。
確定申告の時期には、申告会場でサポートや相談対応をする係員に、青色申告会の職員も派遣されています。
小中学校で、税に関する作文や習字を書いたり、租税教室で「現金1億円のレプリカ」を見たことはありませんか?
これらの活動も、青色申告会が行っています。

個人的には、小学生に「青色申告」などと習字で書かせる意味が分かりませんが…
さて、青色申告会も商工会・商工会議所と同じく、個人事業主の経理や税務の相談に乗ってくれます。
ほぼ税務署の管轄とおなじエリア分けで青色申告会の支部があります。
似たような団体だからなのか、商工会議所が事務を兼務している場合もあり、 商工会・商工会議所と同じビルに入っていたり、自治体の役場の近くに事務所があることが多いです。

お住いの自治体+青色申告会で検索すると分かりますよ
しかも、多くの青色申告会が商工会・商工会議所よりも年会費が安いんです。
ただし、商工会・商工会議所では補助金・助成金の申請サポートや日本政策金融公庫のマル経融資のあっせんを受けられますが、青色申告会ではそれらのサポートは強くありません。(不可能ではないです)

記帳と青色申告に特化したサポート団体なんですね
あと、職員は税務署退職者の年輩の人が多いので、最新のクラウド会計ソフトの操作方法などは対応できない場合があります。
青色申告会には推奨ソフト「ブルーリターン」という会計ソフトがあり、その操作方法だけは教えてもらえますが、「ブルーリターン」使ってる人ってあんまり見たことないですね…。
青色申告会に向いている人
- 補助金・助成金・マル経融資を利用する予定がない
- 自分で会計ソフトで記帳しているが、仕訳について時々質問したい
- 確定申告のときに、減価償却などややこしい部分だけ教えて欲しい
個人事業主の税務相談|自治体・税理士会の無料相談会

お住いの市区町村や地元の税理士会では、毎月きまった曜日・日にちに「税の無料相談会」というイベントを開催しています。
市区町村の広報誌や、地元税理士会のホームページに告知が載っており、いずれも予約が必要な場合が多いです。
主に相続税や自動車税といった生活に関する相談をする人が多いのですが、中には個人事業主で仕訳の仕方が分からない人が相談に訪れる場合もあります。
無料相談には30分~1時間程度の時間制限があります。
今までの帳簿や領収書、質問点を箇条書きにしたメモ等を持っていくと、話がスムーズですよ。
税理士会の方針で、無料相談会では一般的な説明しかできない場合が多く、イレギュラーな取引や込み入った質問になると、最終的に「税理士と契約したら?」と言われてしまうこともあります。

無料相談ですから、手厚いサポートは望めませんね
自治体・税理士会の無料相談会に向いている人
- ある程度自分で記帳仕訳は理解できている
- どうしてもわからない部分をピンポイントで質問したい
- 待ち時間が長くてもOK
女性の個人事業主さんへ注意喚起
女性の個人事業主さんの中には、税理士に相談に行ったのにセクハラを受けてしまった人もいるようです。
税理士がみんなそうとは言いませんが、残念ながら、偉そうな税理士・女性を軽く扱う年輩税理士もゼロではありません。
また、税理士に限らず商工会・商工会議所や青色申告会の職員の中にも、女性の個人事業主を軽く扱ったり、男性個人事業主とは明らかに態度に差があったりする人がいます。

嫌な対応をされたら、我慢せず、すぐに立ち去りましょう
個別相談を希望するなら

「うちの場合はどうなるの!?」という込み入った内容は、税理士さんか商工会・青色申告会に相談しましょう
全国の税理士を検索できるサービス「税理士ドットコム」では、自分の希望に合った税理士を無料で探せます!
- 個人事業主にも親切丁寧な税理士希望
- 特定の業界の申告経験が豊富な税理士希望
- 女性事業主なので女性税理士希望
- クラウド会計ソフトに強い税理士希望
複数の税理士から、顧問料や確定申告手数料を比較して選ぶことも可能です。