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青色申告特別控除は電子帳簿保存/e-Taxどちらか片方でOK!税務署に確認しました

電子帳簿保存法の改正で、2022年からはフリーランスの経理処理に大きな影響があるとこの記事で書きました。

そんな中、一部のYouTubeや解説記事では「電子帳簿保存しないと青色申告取り消しになる」とする意見があり、気になったので私も調べてみました。

結論

電子帳簿保存に完全対応までしなくても、e-Taxしてれば65万の青色申告特別控除OK

桃子

詳しく解説します!

目次

改正電子帳簿保存法と青色申告の関係

2022年1月から施行される改正電子帳簿保存法は、大きく3つの経理処理に関係があります。

  1. 電子帳簿保存:会計ソフトで作った帳簿データ・申告書類データの保存
  2. スキャナ保存:紙の請求書・領収書をスキャナやスマホカメラで画像データ化して保存
  3. 電子取引:メール添付やネットからダウンロードした請求書・領収書データの保存

で、この1番目の「電子帳簿保存」にちゃんと対応しないと、青色申告が認められないのか? というのが疑問点になります。

というのも、実は「電子帳簿の保存要件」には2種類あるのです。

優良な電子帳簿:会計システムに記帳内容の訂正・削除のログをしっかり残す等の機能があるもの
その他の電子帳簿:帳簿の保存場所にパソコン一式が整備されていて、税務職員のダウンロードの求めに応じられるもの

電子帳簿保存法が改正されました|国税庁

そして、改正電子帳簿保存法と青色申告の関係は、このような記述があります。

信頼性の高い電子帳簿(優良な電子帳簿)については、インセンティブにより差別化(過少申告加算税を5%軽減、青色申告特別控除を10万円上乗せして65万円)

令和3年度税制改正パンフレット|財務省
桃子

つまり「優良な電子帳簿」じゃないと65万円の青色申告特別控除が受けられない?

ところが、個人事業主用のクラウド会計ソフトの中には、訂正・削除のログまで残さず「優良な電子帳簿」に対応できない(しない)商品もあります。

今まで青色申告で65万円の特別控除を受けていた人からすれば、今後はわざわざ「優良な電子帳簿」に対応しないと65万円控除できないのか!? と理不尽に思ってしまいますよね。

桃子

でも、青色申告のためだけに、高スペックの会計ソフトに乗り換えるのは負担が大きい…!

個人事業主がそこまで不利になるって何かおかしいなー? と思ったので、国税に関する一般的な相談を受け付けている「国税局電話相談センター」に直接電話して確認してみました!

「優良な電子帳簿」じゃなくても青色申告特別控除65万円を受ける方法

「国税局電話相談センター」の中の人に確認したところ、

青色申告特別控除65万円の要件は、e-Tax による申告(電子申告)または電子帳簿保存の、どちらか片方でOKです。

国税局電話相談センター

という答えでした!

つまり、e-Taxで確定申告を行なっていれば、「優良な電子帳簿」に対応してなくても65万円の青色申告特別控除が受けられるんです。

令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わります|国税庁

なーんだ、今までどおり会計ソフトとe-Taxで確定申告すればいいだけか!

桃子

いえいえ、それがちょっと違うんです

スキャナ保存→対応を選べる/電子取引→対応必須

さきほど挙げた改正電子帳簿保存法の内容は、電子帳簿保存の他にもスキャナ保存と電子取引に関するルールが定められていましたね。

  1. 電子帳簿保存:会計ソフトで作った帳簿データ・申告書類データの保存
  2. スキャナ保存:紙の請求書・領収書をスキャナやスマホカメラで画像データ化して保存
  3. 電子取引:メール添付やネットからダウンロードした請求書・領収書データの保存

スキャナ保存と電子取引の対応についてみていきましょう。

スキャナ保存は「原本7年保管」するならやらなくてもOK

改正電子帳簿保存法の「スキャナ保存」は、実は必須事項ではありません

紙でもらった領収書やレシート等を、これまでどおり紙のまま7年保管するなら、わざわざスキャンしてデジタルデータ化しなくてもいいんです。

原本をさっさと捨てたい場合のみ、ルールに則って「スキャナ保存」しましょう、というものなのです。

これは、紙の領収書やレシート等を7年も溜めておくと「倉庫代が負担になる」という大企業が活用すべき法律と言えます。

個人事業主が領収書やレシート等を7年分溜めても、段ボール1箱くらいでしょうから、わざわざ1枚ずつ画像データ化して保存するのが面倒であれば、ここは対応しなくても構いません。

桃子

でも、ちゃんと書類を7年間保管して下さいね!

ただし、電子帳簿保存法は頻繁に改正を繰り返している法律です。今後「紙のレシートもすべてスキャナ保存を義務化」という改正が行われる可能性があることは、頭の片隅に入れておきましょう。

電子取引は対応必須!会計ソフトの機能を使おう

電子取引でやりとりした請求書・領収書などのデータは、これまで「プリントアウトして保存してもOK」だった措置が廃止になり、「データはデータのまま保存」というルールになりました。

そのため、クライアントとメール添付でやりとりしたPDF請求書や、ECサイトで購入した際の領収書データに対して、以下のどれかで処理する必要があります。

  1. 先方にタイムスタンプを付与してもらってから送信してもらう
  2. データ受け取り後、速やかにタイムスタンプを付与する
  3. データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用する
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

このうち1番の「先方にタイムスタンプを付与してもらう」は、わざわざ先方にお願いしにくいので難しいですね。

2番は、タイムスタンプ機能がある会計ソフトを利用すれば対応可能。

3番は、ログを残す「優良な電子帳簿」に対応した会計ソフトを利用すれば対応可能。

4番は、フリーランスであっても「事務処理規程」を作って備え付ければOKです。

ただし4番は、国税庁のサンプル規程によると、会計データの訂正・削除を行う場合いちいち「取引情報訂正・削除申請書」を毎回作成し、それを7年間保管しなければなりませんから、ちょっと面倒くさいです。

【参考】電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程(個人事業者の例)|国税庁

となると、2番の「データ受け取り後、速やかにタイムスタンプを付与する」が現実的といえるでしょう。

結局のところ、青色申告のためにe-Taxで申告する際に、会計ソフトで申告データを作る必要があります。
なので、電子取引データの処理は、会計ソフトの機能を使ってタイムスタンプを付与するのが合理的ではないでしょうか。

個人事業主用のクラウド会計ソフトは、各社2022年1月に向けて対応を進めているところです。自分の使っている会計ソフトの動向をチェックしてみて下さい。

桃子

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