持続化給付金2020年新規創業特例、実際に税理士確認までやってみたんで解説したいと思います!実際の申請はこちらの記事で解説してます↓
じつは私、2020年1月に開業届を出していたんですよ。
「さあこれから頑張ろう!」と思った矢先に新型コロナ感染症の影響で、なんと直接契約でレギュラー案件だった取引先が事業を休止してしまいまして。
しかも新型コロナウイルス感染症の経済対策で、個人事業主が持続化給付金を申請できるアレ、開始当初は2020年新規創業の個人事業主(私)は対象外で、ほんと「ついてないなー」ってガッカリしてたんです。
しかし!第2次補正予算通過により6/29から救済措置が始まって、2020年に開業届を出した人も持続化給付金の申請ができることに!
ヒャッホー!ありがたい!
2020年新規開業でも「持続化給付金」をもらえる条件は?
2020年に新規で開業届を出した個人事業主が、持続化給付金の「2020年開業に関する特例C」に該当する条件は以下の2つ。
- 2020年1月~3月の間に開業し、開業届を4/30までに提出済み
- 2020年4月以降、2020年1月~3月の平均売上よりも50%以上売上が減った月がある
とりあえず、自分が該当しそうだなと思ったらざっくり売上を集計してみるといいですね。
2020年創業者の「持続化給付金に係る収入等申立書」とは?
2020年創業者の持続化給付金の申請手順は以下の通りです。これから順番に説明していきます。
- 「持続化給付金に係る収入等申立書」をダウンロード・必要事項記入
- 2020年の売上がわかる帳面などをPDFで準備
- 日本税理士会連合会の申請フォームから必要書類を送信
- (約2週間後)日税連より「持続化給付金に係る収入等申立書」が返送される
- 税理士確認済の「持続化給付金に係る収入等申立書」を使い自力で持続化給付金を申請
さて、2020年新規創業者でも持続化給付金の申請ができるようになり、私は嬉々として持続化給付金事務局のサイトから必要書類をダウンロードしました。
しかし、喜んだのもつかの間…「持続化給付金に係る収入等申立書」を見てみたら「税理士確認欄」てのがあるじゃないですか!
いやいやいや、開業したばっかのフリーランスが税理士と契約してるわけないじゃん!?
だいたいの個人事業主が「税理士」の存在を意識するのは「初めての確定申告」の時だってばっちゃが言ってた。
てか経理の帳簿すらまだマトモにつけてませんよ!?
開業してまだ半年も経ってないんだもの…
税理士確認の手数料が高い!
でも、もらえるなら欲しいじゃないですか持続化給付金。
開業して数ヶ月でメイン取引先がコロナで事業ストップして涙目の私も、めっちゃ欲しいのよ持続化給付金!
ちなみに私は元商工会職員なので、税理士の知り合いはいます。いますけど、先立つものがありません。
いくら知ってる人だからって、士業のお仕事を値切るのは失礼だなって思ったので、ひとまず他人のふりして税理士事務所に素知らぬ顔で「すみませーん、手数料いくらー?」って電話で問い合わせてみたら…
事務員さんに見事に断られました!
2020年創業の個人事業主が持続化給付金の手続きをしようと思ったら、税理士の証明を受ける必要があるんですが
創業したばっかでスポット対応ってめちゃくちゃ断られる率高いのね…そりゃそうだよな🤣
都会のスポットOKの税理士は手数料めちゃ高くしてる(変な事業主よけ)😇😇😇#持続化給付金
— 久慈桃子@HSPライター(丁寧さに定評あり) (@momoko_kuji) June 30, 2020
で、ネットで某税理士事務所が「持続化給付金に係る収入等申立書」の内容確認やってるのを見つけたんですけど、費用が10万円以上かかる!
いやー、そんなに費用かかってしまうん!?
なけなしの持続化給付金がさらに目減りしちゃうの!? 辛っ!
ちなみに、税理士報酬としてはこの案件で10万円以上でも適正です。
むしろよく知らない顧客相手に初回で収入証明なんて、安いくらいかも…
税理士報酬にビビった私、すぐに地元の商工会議所に問い合わせました。
経産省が小規模事業主向けになんかやるっていったら、だいたい商工会・商工会議所を窓口に使います。
当然、商工会・商工会議所は従来の持続化給付金の申請サポートもやっています。
で、地元の商工会議所に聞いてみたところ、こんな状況だと判明。
- すでに何件か2020年創業の個人事業主から問い合わせを受けている
- 商工会議所からも持続化給付金の事務局に問い合わせ済
- なかなか税理士が受任しない件も把握している
- 一部の県では地域の税理士会が無償で請け負っている
ここまで聞いて、私は「あっこれは税理士会が動くな」と気付きました。
そして「たぶん10日くらい待ってたらなんとかなるなー」と思い、しばらく様子を見ることにしました。
商工会議所に問い合わせてみた感触だと、すでに「創業すぐで税理士に断られた」という事例が複数あがっていて、給付金事務局側に情報を渡している、と。
これたぶん、10日くらい待ったら方針変更か税理士報酬の補助か税理士会のサポートができるんじゃないかなー。 https://t.co/nlVTVh0WlC
— 久慈桃子@HSPライター(丁寧さに定評あり) (@momoko_kuji) June 30, 2020
というのも「持続化給付金に係る収入等申立書」は、税理士的にはすごく面倒でリスキーな案件なんですよ。
でも、国が「税理士の確認がいる」って申請スキーム組んじゃったので、税理士としては対応する必要があります。
だけど税理士は自分の事務所で請け負いたくないし、個人事業主の方も手数料だけで10万円以上ってのは、開業したばっかりでそれは苦しすぎますよね。
日本税理士会連合会の対応が神
そんなわけで、しばらく様子を見てたらですね。
全国の税理士さんをまとめる日本税理士会連合会という団体が、持続化給付金の2次補正で救済の対象になった個人事業主に限り、無償で税理士確認をしてくれることになりました。
控えめに言って神です
という条件ですが、それでも十分にありがたいことです。
この税理士会連合会の神対応のおかげで、令和2年度第2次補正予算成立によりその支給対象が拡大された以下の個人事業主の申請がグッと楽になります。
- 主たる収入を雑所得・給与所得の収入として計上している個人事業者(フリーランスの者)
- 2020年に新規創業した事業者
これで税理士報酬の問題は解決しました!ありがたい!
ちなみに税理士会連合会では受付期間が決まっているので、早めに申し込んだ方が良いですよ。
令和2年7月14日~同年8月末日
日税連 持続化給付金の申請に係る申立書への税理士確認依頼より(7/18時点)
※状況により延長又は短縮する可能性があります。
「持続化給付金に係る収入等申立書」の「事業による売上(収入)金額」の書き方
さて、申立書への税理士確認依頼先は確保したものの、肝心の申請書類一式を作らなければなりません。手順を見てみましょう。
2020年創業者の持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)の申請手順
- 「持続化給付金に係る収入等申立書」をダウンロード・必要事項記入
- 2020年の売上がわかる帳面などをPDFで準備
- 日本税理士会連合会の申請フォームから送信
- (約2週間後)日税連より「持続化給付金に係る収入等申立書」が返送される
- 税理士確認済の「持続化給付金に係る収入等申立書」を使い自力で持続化給付金を申請
「持続化給付金に係る収入等申立書」には押印が必要
まずは、持続化給付金の申請サイトから「持続化給付金に係る収入等申立書」をダウンロードできるページに行きます。
「持続化給付金に係る収入等申立書」はPDFとWORD形式のどちらかを選べます。が、押印する必要があるので、どちらを選んでも一度プリントアウトする必要があります。
すごいですねぇ、ハンコ文化!
しかも税理士確認欄にも税理士の記名押印が必要なので、申請書はこんな流れになると思われます。
- 「持続化給付金に係る収入等申立書」をダウンロード
- 事業主側でプリントアウト
- 名前や月別売上欄を記入し、押印
- スキャンしてPDF化する
- 税理士会連合会にオンラインで送信
- 税理士側でプリントアウト・記名押印
- スキャンしてPDF化する
- 税理士会連合会から事業主にオンラインで返送
スゴイ!
ハンコが必要ってだけでこのアホらしい手間!
売上帳をつくらなきゃ問題
さて、税理士会連合会の税理士さんに「持続化給付金に係る収入等申立書」の税理士確認欄に署名してもらうためには、「事業による売上(収入)金額」に月別売上を記入し、なおかつ2020年の売上がわかる証拠書類を見せる必要があります。
証拠書類って何だろう?
日本税理士会連合会のホームページにある「持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)に係る税理士の確認のためのチェックリスト」では以下のように説明されています。
2020年の月間事業収入がわかるもの
日税連 持続化給付金の申請に係る申立書への税理士確認依頼
2020年1月から対象月(※2)までの売上台帳、帳面その他の2020年分の確定申告の基礎となる書類をPDF形式で申立書に添付してください。
特にフォーマットの指定はありませんが、日々の事業収入が記載され、月ごとの合計金額が記載されている資料(※3)の添付をお願いします。
さらに、持続化給付金事務局で公開されている「持続化給付金申請要領」を確認すると、こんな風に書かれています。
C-1 2020年新規開業特例(給付対象者の特例)
持続化給付金申請要領(個人事業者等向け)
※事業収入は、証拠書類として提出する確定申告書(所得税法第二条第一項三十七号に規定する確定申告書を指す。以下同じ。)第一表における「収入金額等」の事業欄に記載される額と同様の算定方法によるものとします。
なんか難しい言い回しですが、ようするに「2020年分の確定申告に使うデータと同じもの見せてね!」ってこと。
つまり、2020年分の「会計ソフトかエクセルに入力した売上データ」でOKです。手書きの帳簿でもOK。
現時点で経理の帳面を付けていない人は、どーせ確定申告で必要になるので、サクッと会計ソフトを始めて入力しちゃいましょう!
2020年分の売上の入力に必要な資料
今回の申請では売上の金額が分かればいいので、経費については慌てて入力しなくても大丈夫です。
私の場合でいうと、入力で使ったのは以下の数字です。
- ランサーズやクラウドワークスの取引明細
- 直取引の案件の請求書(または納品書)
- 銀行の入出金履歴
複式簿記を使う人(青色申告をする人)は、売上は銀行への入金日ベースではなく、クラウドソーシングなら検収が済んだ報酬確定日、直取引なら請求書の日付ベースで「売掛金」を使って売上を記録していきましょう。
クライアントの締め日や入金日の関係で、実際に労働した月と報酬の支払い月がズレると、正しい「月間事業収入」が把握できなくなるからです。
実際に労働(納品)した月に「売上」を「売掛金」を使って計上し、後日報酬の支払いがあった時は「現金(預金)」で「売掛金」を相殺するのが複式簿記のやり方です。
持続化給付金の税理士確認依頼用の経理書類の準備
2020年の現時点までの売上を会計ソフトに入力し終わったら、売上の帳簿を出力しましょう。
この売上帳をもとに、税理士さんに確認をしてもらいます
私は やよいの青色申告オンライン
売上帳にある月別の売上金額を「持続化給付金に係る収入等申立書」の「事業による売上(収入)金額事業による売上(収入)金額」の欄に書き写します
1月~3月の月ごとの売上の平均金額を出し、さらに4月以降の売上が平均金額の50%以下になる月が「対象月」となります。
50%以下になる月が複数あれば、最も売上が少ない月を「対象月」にします。
これで「事業による売上(収入)金額事業による売上(収入)金額」は完成です。
さて、税理士会連合会で税理士確認をお願いするためには、さきほど会計ソフトからダウンロードした「売上帳」と「持続化給付金に係る収入等申立書」があればいいっぽいんですが、私は念のためさらに証拠資料を付け加えました。
不要かもしれないんですが、万が一、税理士会連合会で「税理士確認不可」とか言われたら大変!
しかも不可の場合は理由を詳しく教えてくれるのかも不明だったので、念には念を入れて「私が税理士だったらこれを確認するだろう」と思われる書類を追加しました。
私が念のため追加した会計資料
- 仕訳帳(会計ソフトから出力)
- ランサーズやクラウドワークスの取引明細
- 直取引の案件の請求書(または納品書)
- 銀行の入出金履歴(ネットバンキングで取得)
これ、仕訳帳以外は会計ソフトに入力するために使った資料と同じものです。これをPDFにしてまとめました。
いよいよ日本税理士会連合会に送信!
税理士会連合会で「持続化給付金に係る収入等申立書」の税理士確認を依頼するとき、おもわぬトラップがあるので注意事項をまとめました。
まず、税理士会連合会のサイトで「持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)に係る税理士の確認のためのチェックリスト」をダウンロードします。
で、一回プリントアウトしてチェック欄&記名押印してからスキャンしてPDF保存します。
ハンコがいるので、プリントアウト→再スキャンが必要です!
ダウンロードはここから▼
日税連 持続化給付金の申請に係る申立書への税理士確認依頼
用意する書類はすべてPDF
- 持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)に係る税理士の確認のためのチェックリスト (必要事項記入・押印済)
- 持続化給付金に係る収入等申立書(必要事項記入・押印済)
- 売上帳
- (余分かも)会計資料
ファイルサイズに注意
送信するPDFファイルは、複数まとめて送れますが、1つあたり1.9MB以下にする必要があります。
私の場合、チェックリスト・申立書・売上帳を全部結合したPDFを作ったら2MBを超えてしまったので、ファイルを2つに分けました。
「依頼送信」をクリックするまで油断するな!
税理士会連合会のサイトで必要書類をアップロードし、申請者の氏名やメアドをフォームに入力、事前同意事項をチェックして「確認画面へ」というボタンをクリックすると、受付フォームの冒頭に画面が遷移します。
画面が切り替わるので「送信完了したかな」と勘違いしそうになるんですが、まだデータ送信は行われていません
そこから入力事項をもう一度チェックした後、「依頼送信」をクリックしてようやくデータ送信が完了です。
お疲れさまでした!
税理士会連合会の依頼送信フォームはここ▼
日税連 持続化給付金の申請に係る申立書への税理士確認依頼
送信後は受付メールが届きます
データ送信ができていたら、税理士会連合会から受付メールが届きます。
実際の税理士確認には時間がかかるため、約2週間後に税理士の署名押印がされた「持続化給付金に係る収入等申立書」がデータで返信されてくるようです。
※私が手続きしたのは7/18で、返信があったのは7/21です。早っ!
税理士会連合会から申立書の返信が来たら、続きを書きたいと思います!